臨床心理学専攻の沿革

人間科学研究科臨床心理学専攻は1993年に定員9人で設置され、1996年に始まった臨床心理士養成指定大学院（第1種）の最初の10校の一つとして認可されました。1999年から定員は20人となり、現在に至っています。修了生は400人以上となり、多くは心理臨床の現場で実践家として働いています。2000年には日本で初となる臨床心理学専攻博士後期課程が設置され、2018年には国家資格である公認心理師の養成施設として認められました。1966年に文教大学の前身である立正女子大学家政学部が設立された当初に臨床心理学を中心としたカウンセリングコースとその実践の場として臨床相談研究所がすでに設立されていました。今では大学院付属となり、院生の教育?研究と実践を繋ぐインターンシップに欠くことのできない施設となっています。本専攻は臨床心理学の教育?研究の最前線を常に走ってきた長い歴史があるのです。

教育?研究の内容

臨床心理学専攻は、有能な公認心理師?臨床心理士の育成を目指した教育を行っています。良き臨床家になるためには、①心理学?臨床心理学の知識をしっかりと身につけること、②研究を通して科学的?理論的思考方法を自分のものとし、客観的に物事を判断できるようになること、③現場で臨床感覚を磨き、実践的に学ぶことの３点が欠かせないと考えます。本専攻ではこれらの実現に必要十分な授業を幅広く用意し、実習と研究指導に力を入れています。

教育課程

臨床心理学専攻には現場経験豊かで研究者としての実績を重ねた教員が多く、広い領域にバランスよく配置されています。豊富な実習とスーパーヴィジョンを通して実践力を高めるとともに、基礎的な心理学や、研究指導にも力を注ぎ、高い研究能力をあわせ持った即戦力になる人材の養成を目指しています。研究指導は１年次の春から始まります。ゼミは１人の教員につき２名以内の少人数制で行われています。研究は院生自らが計画?立案して進めますが、指導教員の指導を受けながら、必要に応じて他の教員からの助言も受けられます。専攻全体で院生の研究活動を支援する体制がとられています。
２０１８年度から公認心理師養成カリキュラムがスタートしており、所定の科目を履修すれば、公認心理師および臨床心理士の両方の受験資格を取得することが可能です。

修了要件

修了には、大学院に2年間在籍し、必修25単位を含む43単位以上を修得することが必要です。さらに、研究指導を受けたうえで修士論文を提出し、審査に合格することが求められています。

学位等

臨床心理学専攻修士課程を修了した者は、修士（心理学）の学位が授与されます。また、臨床心理士養成大学院の第１種指定校であることから、修了した年に（公財）日本臨床心理士資格認定協会による臨床心理士の受験資格が付与されます。また、2018年度から国家資格である公認心理師養成カリキュラムにも対応していることから、所定の科目を履修することで公認心理師の受験資格もあわせて取得することができます（但し、学部で所定の科目を履修していることが前提となります）。
本専攻修了生は、公認心理師、および臨床心理士共に毎年、全国平均を上回る合格率を出しています（例：２０２４年３月修了生合格率、公認心理師?臨床心理士ともに合格率９０％以上）。

資格取得状況

公認心理師?臨床心理士になりたいという希望が強い人が多く、自主的に勉強する習慣がある人が多い風土があります。その結果、自主勉強会が活発で、公認心理師は90％以上、臨床心理士の合格率は90％以上（全国平均60％程度）と高い合格率を誇っています。